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「激変する市場で生き残る工務店とは」

戦略経営者「行列のできる工務店の社長覚書」

 もう長い間、国内の産業は不況のトンネルを抜けることができない。住宅産業においても内需拡大の切り札として、フラット35の優遇金利や住宅ローン減税、さらに住宅版エコポイントなど、過去に例がない政策が打ち出されているにもかかわらず、昨年度の着工数は前年比25%減の77万5,000戸余りに留まり、実に10年前の水準と比較すると45万戸が減少した。
 その中で"持家"の着工戸数だけをとっても15万戸程度減少し、それに追い打ちをかけるようにこの6年間の事業所の規模別推移では全体の85%を占める年間5棟以下の元請け大工・工務店・ビルダーの事業所数が、倒産もしくは廃業により12万5,000から6万8,000事業所へ半減した。これは単に少子高齢化や所得の目減りによる住宅投資意欲の低下だけではなく、住宅業界が直面してきた過去5年から10年に渡る建築基準法を始めとした建築関連各法の改正によるコンプライアンスへの対応力欠如が主たる要因だ。特に構造偽装事件以降、住宅建築の際に求められる資料や手続きなどが膨大に増えた。その結果、経験と勘に頼り、自分たちの仕事の証拠性や情報開示を示す術もなく、小規模のつくり手が追い込まれていった。国の政策を受け容れたものの、迅速に対応することができなかったのである。

 さて、業界の構図自体が大きく変化し、戸建て新築の悪循環のマーケットに出口が見えないまま、政府は6月18日に「新成長戦略」をまとめ、発表した。今後はこの戦略に沿って各省庁の政策が纏められ、実施されることから、中小工務店といえども、まず政策面から住宅業界への影響を読み取ることが大切だ。これまでの政府の戦略は公共事業を増やす直接的な政策を原則として成り立っていたが、「新成長戦略」では需要を刺激する間接的な政策で成長を目指す点で大きく異なる。
 国土交通省による住宅分野の最重要課題としては、住宅市場の活性化が挙げられ、長期優良住宅やエコハウスなどの新築供給支援と中古住宅流通の促進とリフォーム市場の整備の二本立ての政策が打ち出された。またこれまで実績が上がらなかった住宅の耐震化の支援策が大幅に見直され、また増加する高齢者へ向けた対策も検討されている。さらに極めて積極的なのが温室効果ガス25%削減に向けた取り組みで、今までの断熱強化策だけではなく、設備の高効率化や省エネ制御システムの導入による「総合的な省エネ化」や省エネ性能の診断、評価・表示を推進してゆく方向性だ。
 では私たち中小工務店はこれらの政策を鑑み、どう対応していけば良いのだろうか。
 まず、「環境」というキーワードを無視することはできない。住まいと環境が交わるところに中小工務店が活かせる強みがあるのではないだろうか。量産が経営を支えるハウスメーカーとは異なり、中小工務店には個別の要件に応える持ち前の機動力とフットワークがある。それに加え、設計力と理科的な知識に磨きをかけることで、個別の敷地の風向や日射取得・遮蔽などの自然エネルギーを有効に活用し、省エネと快適性の両立を定量的に具現化する技術レベルに到達することが可能になる。また、国産材の有効活用では林材地や製材業者と連携を深め、地域循環型社会の形成に一役買うことができる。
 そして、これらの対策を進めるには、国土交通省が発表しているCASBEE(建築環境総合性能評価システム)や「自立環境住宅」、さらには近年話題の"ウッドマイルズ評価"による住宅のトレイサビリティ、木材輸送時のCO2削減率など、多様な環境指標を理解し、有効活用することで、より具体的な目標値を定めることも必要になる。
 国の政策とは、旧態依然とした体質の経営には厳しく、真摯に"良い家づくり"を目指している中小工務店経営には寛容な"諸刃の剣"であることを受け止め、世の中の動向や政策に敏感に反応して次の一手を打つことが、会社存続の条件だと考える。(了)

清水 康弘

 戦略経営者「行列のできる工務店の社長覚書」 2010年8月号 No.286 TKC

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