デザイン力「暮らす技術」
DESIGN
この5つのデザインはすべてが不可欠で、それぞれに“つながり”があり、実際に住まいをデザインする作業においては、常にこの5つのことを同時に考えています。
住まいと家族のコミュニケーション
「設計」とは、こうして進めていくデザインを“カタチ”にする作業であり、この5つのデザインが最適なものとして融合されたとき、そこに理想的な住まいが生まれることになります。
住まいの心地よさ
住まいが家族のコミュニケーションに影響を与えるのは、それが「家族の距離感」を一定に規定するからです。たとえば、間仕切りが多い個室ばかりの間取りにすると、家族の距離感はどうしても大きくなります。逆に、あまりに開放的な間取りにすると、その距離感が小さくなりすぎることにもなりかねません。
要はそのバランスであり、家族の個性や考え方、暮らし方に応じて、「家族が近くなる場所(集まる場所)」と「個人の時間を過ごす場所」をうまくつくることが大切になるわけです。基本的には、家族が集まる場所としてリビングを考え、LDKは家族が集まって過ごしやすくするため、最大限の心地よさをそこに与えるようなデザインを行なっていきます。
<からだの動作で感じるもの>
●家事や日常の移動がスムーズに行える
(ある作業を行なうときに、無駄な移動を強いられない)
●スムーズな身体動作ができる
(キッチンの高さや収納の高さなどが典型例)
●座る、寝転ぶなどの「静」の動作をしているときにリラックスできる
<目で感じるもの>
●空間を広く感じる、目線が抜ける
●適切な明るさ
●気持ちのよい風景が窓から見える
●好みの色、素材、カタチ、デザインが視野にある
●部屋が片付いている
<皮膚で感じるもの>
●適切な温度と湿度
●適切な風
<鼻で感じるもの>
●好みの臭いがあり、好まない臭いがない
<耳で感じるもの>
●耳障りな音がない
安心してその住まいで暮らせること
家というものは長期間にわたって存在するものであり、その長い時間の中で様々な出来事に遭遇します。その出来事によって不幸を招いたり、大きな経済的負担を強いられることがなく、いつも安心して暮らせるような住まいをデザインすることも私たちの大きな役割です。
こうした安心は「十分な住宅の性能」によって実現されるものであり、耐震性、耐久性、維持管理のしやすさなどに深く配慮したデザインを行なっていきます。また、こうした性能の実現は「間取り」や「空間のつくり方」にも影響してくるのですが、間取りや空間への制限を最小限にできるデザインを追求するため、性能への理解度を深める勉強を続けています。理解を深めるほど、“応用力”が発揮されるからです。
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