社長の寄稿実績
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「自分と会社へ宛てた手紙」

一説によると、会社を設立して10年存続できる確率は全体の5%以下だと言います。「利を求むるに道あり」という言葉がありますが、江戸中期の思想家石田梅岩が「まことの商人は先も立ち、われも立つと思うなり」と説いたように、まずは人の道に則した正しい方法で利潤追求を実現しなければ会社は存続しません。まずそのためには、正しく、大きな夢を描くことが大切だと思います。どのような事業でも揺るぎのない商品力や技術力を構築しなければ、社会から見放され衰退し、やがて消滅してゆく運命にあるからです。
私には創業時から社員に語り続けてきた夢がたったひとつだけあります。それは、「高い技術力の会社になろう!」というシンプルなものです。今日明日を生きていくための糧も必要ですが、事業とは一攫千金というわけにはいきません。汗を流し、不断の努力をしてこそ、どこにも負けない技術力が身につくものです。わが社は今年で10年という節目を迎えますが、技術畑出身でもない私が語り続けてきた唯一無二の夢が、現在では「住宅の品質、技術、性能、デザインの向上に貢献し、社会から信頼、必要とされる価値貫徹企業を目指す」という経営理念に進化しました。
振り返ると不思議なことに気付かされます。私が語り続けてきた夢とは、実は毎日自分自身と会社に宛てて書いた手紙のようなものだったのです。まだ夢の途中ではありますが。
清水 康弘
トップが綴る一日一話「仕事の指針・心の座標軸」私の夢 会社の夢 2008年10月10日発行 PHP研究所